お知らせ

2025.08.04【G.column】ソザイのコセイ

ジョー・プリンスの製品に使用する材質は、金属、非金属合わせて現在29種類。
どんな用途や環境で使用するのか、組み合わせる部品の点数、コストはどのくらいかかるのかなどの各条件とマッチする特性を見極めて、開発製品を構成する材質を選定しています。
材質の選定から始まり、工法、表面処理すべてに最善の選択をすることで高品質な製品を完成させていきます。


 


今回は「非金属」と呼ばれる素材をご紹介します。
非金属ということは金属ではない素材ですが、枠に収まらないこれらの素材は、大変ユニークなものばかりです。


今回は中でも日常的に目にする機会の多いプラスチック、ゴム、セラミックス、ガラスの4種類についてわかりやすく解説します。
ところで金属と非金属の違いって何なのでしょうか。金属って何なのでしょうか。
この先をお読みになれば、そうなんだ!がきっと見つかるはずです。



 


■材質の分類

素材を分類すると、まず「金属」と「非金属」に分かれます。ところで炭素(C)を含んだ物質のことを有機物、含まない物質を無機物と言いますね。

金属は無機物ですが、非金属は有機物と金属以外の無機物というように定義されています。なので非金属は「有機材料」と「無機材料」に分類することができるのです。

有機材料の代表がプラスチックやゴム、無機材料の代表がセラミックスやガラスです。




 


変幻自在!いろんな形に大変身

■有機材料【プラスチック】

プラスチックは主に合成樹脂とよばれる高分子物質を主原料とした、成型しやすい材料です。
Plasticは英語で「自由な形にできる」という意味があります。

 

●プラスチックができるまで

プラスチックは、石油を精製して取り出したナフサという物質をさらに精製して抽出した分子を合体させたものです。
分子の組み合わせで様々な性質のプラスチックになります。



ABS樹脂/L-333A

ABS樹脂/L-333A

ポリアミド(PA)/PH-105

ポリアミド(PA)/PH-105


ポリアセタール(POM)/B-261

ポリアセタール(POM)/B-261



 


唯一無二の弾力性と柔軟性

■有機材料【ゴム】

ゴムは大きく変形したり、すみやかにかつ力強く元の形に戻ることができる材料です。
天然ゴムと合成ゴムがあり、天然ゴムはゴムの木から樹液(ラテックス)を取り出したもの、合成ゴムは石油を主原料とした物質から作られるものです。

 

●ゴム発見の歴史

コロンブスがメキシコを訪れた際に発見しヨーロッパに伝えたゴムでしたが、持ち帰りの難しさから200年間も放置されていました。
その後鉛筆が発明された時、ゴムでこすると鉛筆の線が消えるとわかり、消しゴムが誕生。
再びゴムが注目されるようになったのです。


スチレンブタジエンゴム(SBR)/PG-1

スチレンブタジエンゴム(SBR)/PG-1


天然ゴム(NR)/PG-11

天然ゴム(NR)/PG-11


ゴム/PC-250

ゴム/PC-250



 


■無機材料【セラミックス】

弥生土器や縄文土器はご存知でしょう。実はこの土器もセラミックスなのです。
粘土で形を作って火で焼き固める…この「焼く」がポイントで、セラミックスとはつまり窯業製品全般のこと。
人工的な処理により成形された無機質な非金属素材なのです。
広義には次に紹介するガラスもセラミックスです。

 

●進化するセラミックス

古代の土器がやがて陶器や磁器に進化したようにセラミックスの技術も進化します。
工業製品として改良を重ねたものが「ファインセラミックス」です。

ジョー・プリンスでは現在セラミックス製品の取り扱いはありませんが、私たちの身の回りにはセラミックス製品がたくさん存在しています。




 


■無機材料【ガラス】

ガラスはケイ酸塩を主な原料とする硬く透明度の高い物質です。
一般的なガラスをソーダ石灰ガラス、耐熱ガラスや硬質ガラスをホウケイ酸ガラスと分類することもあります。  

●世にも奇妙なガラス

ガラスが透明な理由は“液体”だから。固体は分子が結合してできていますが、その並びが緻密であるほど光が通りにくくなるのだそうです。
でもガラスの分子構造は不規則で、それは液体の状態なのです。
液体なのに固体化している不思議な物質、それがガラス。

※同じ状態でも透明ではない物質もあります。(ゴムや一部樹脂など)

ガラス製品の取り扱いはありませんが、ガラスに使用する製品を取り扱っています。


OT-B450-SUS

OT-B450-SUS


OT-B170-SUS

OT-B170-SUS

OT-G390-SUS

OT-G390-SUS



 


■ソザイのトクイ

ここでは金属、プラスチック、セラミックスを比較して得意なこと、不得意なことを見ていきます。




 


【豆知識①】素材の性質が違うのはどうして?
 


金属

自由に動くことができる電子(自由電子)があります。この自由電子の存在により外圧で金属結合が破壊されにくかったり、熱や電荷の受け渡しが行われるため、変形しやすい、熱や電気の伝導性がいい、光を通さないといった性質を持ちます。

並びが崩れても結合が崩れないから加工がしやすいのです。

プラスチックなどの有機材料

加熱によりポリマーの熱運動が活発になり、ポリマー間隔が広がるので結合力が弱くなり柔軟な成型が可能になります。

短い分子が結合して紐状になっているので、柔軟な変形ができる。綿をイメージすると分かりやすいかも?

セラミックス

原子同士が強く結びついているので硬く強いという性質を持ちます。現代では高精密に成分調整をした「ファインセラミックス」が登場しており、より優れた特徴を持っています。

並びが崩れると、同じ性質の原子が重なったときに反発して割れてしまう。






 


【豆知識②】電気を通すプラスチック!?

プラスチックは、電気を通しにくい素材です。しかし白川英樹博士は、電気を通すプラスチックを発明することに成功。
2000年にはノーベル化学賞を受賞しました。現在、電化製品のバッテリーやスマホのタッチパネル、PCの部品など、身近な場所で活躍しています。



※上記内容は、下記広報誌vol.57に掲載されています。広報誌の冊子をご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡下さい。


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