2025.04.07【G.column】キンゾクのセイカク

ジョー・プリンスの製品に使用する材質は、金属、非金属合わせて現在29種類。
どんな用途や環境で使用するのか、組み合わせる部品の点数、コストはどのくらいかかるのかなどの各条件とマッチする特性を見極めて、開発製品を構成する材質を選定しています。
材質の選定から始まり、工法、表面処理すべてに最善の選択をすることで高品質な製品を完成させていきます。

今回は「金属」。
家電、食器、自動車や電車など身の回りには金属が使われている製品がたくさん存在し、ジョー・プリンスでも金属でできた製品を多数取り扱っています。
普段何気なく使っている金属製品ですが、その種類ごとに強度、耐食性、耐摩耗性、靭性、比重、融点、加工のしやすさなど、独自の特性があります。
そこでジョー・プリンス製品によく使用される金属のうち鉄、亜鉛、アルミ、真鍮にスポットを当て、それぞれの材質の特性についてわかりやすく解説いたします。
■材質の分類
材質を分類していくと、まず「金属」と「非金属」に分かれます。
そして金属は「鉄」と「非鉄金属」に分かれます。
「鉄」はさらに「純鉄」「鋼鉄(炭素鋼/合金鋼)」「鋳鉄」の大きく三つに分類され、炭素やその他鉄に加える元素の含有量によって特性がかわります。
世の中でよく見かける「鉄」のほとんどが鉄と炭素の合金である「鋼鉄」のことを指します。

純粋な鉄「純鉄」は特性を保ったまま加工するには高度な技術が必要ですが、「鋼鉄」は加工がしやすく強度が高いため汎用性に優れ、金属工業で多く活用されています。
そして、「鉄」以外の金属を「非鉄金属」と呼びます。
ジョー・プリンスでは用途や環境、どんな加工技術で製作するのかなどの条件と照合し、的確な材質を選択していきます。

炭素の含有量が増えるほど強く硬くなりますが、その反面一定の力を加えた際に割れやすくなります。

■鉄鋼【炭素鋼】
鉄と炭素の合金。価格が安く調達が容易。加工性に優れ、プレス、切削、鋳造などほぼすべての方法で製造可能。
酸化しやすく錆が発生しやすいため表面処理などをすることで補う。
ジョー・プリンス材質一覧
冷間圧延鋼板(SPCC)
熱間圧延鋼板(SPHC)
一般構造用圧延鋼材(SS41)
炭素鋼鋳鉄(SC)
電気亜鉛メッキ鋼板(ボンデ鋼板)(SECC)
溶融亜鉛メッキ鋼板(SGCC/SGHC)
軟鋼線材(SWRM)
冷間圧造用炭素鋼線材(SWRCH)
ピアノ線(SWP)

■鉄鋼【ステンレス鋼(合金鋼)】
鉄と炭素にさらにクロムを加えた合金。耐食性に優れ、炭素鋼の錆びやすさを補っている。その特性から美しい表面の光沢感を維持することができる。
ジョー・プリンス材質一覧
フェライト系(SUS-430)
オーステナイト系(SUS-304)
オーステナイト系(SUS-316)

■鉄鋼【鋳鉄】
炭素の含有量が多い鋼。融点が下がるため鋳造の加工がしやすい。可鍛鋳鉄は、靭性が低下するという欠点を補った鋳鉄で延性に優れている。
ジョー・プリンス材質一覧
可鍛鋳鉄 (FCM)
球状黒鉛鋳鉄(FCD450)

■非鉄金属【亜鉛(ダイカスト製法)】
亜鉛そのものは腐食しやすく弱いため、亜鉛合金を用いる。亜鉛ダイカストとは、本来亜鉛合金を用いて鋳造する製法のことである。低コストで複雑な形状を大量に生産することができる。
ジョー・プリンス材質一覧
亜鉛ダイカスト (ZDC)

■非鉄金属【アルミニウム】
ボーキサイトという鉱石が原料の金属。酸化被膜を作る働きがあり、耐食性に優れている。また、鉄や銅に比べて非常に軽くその軽さを生かして輸送分野で活躍している。
ジョー・プリンス材質一覧
アルミニウム(Al)

■非鉄金属【黄銅】
銅と亜鉛の合金で、真鍮とも呼ばれる。含有率が異なる七三黄銅と六四黄銅が代表的。加工しやすく、表面処理なしでも光沢感が美しく、長く使用すると深みのある落ち着いた風合いへ変化する。
ジョー・プリンス材質一覧
黄銅(Bs)
黄銅鋳物(YBsC)
黄銅棒(BsM)
※上記内容は、下記広報誌vol.56に掲載されています。広報誌の冊子をご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡下さい。